要約 |
PMDAが医薬部外品申請におけるNAMs*(New Approach Methodologies)の利用方針についてEarly Considerationを発出
~NAMsの行政利用実現に向けた重要な一歩~
日本化粧品工業会は、医薬部外品・化粧品の安全性評価における動物実験代替法等の活用に向けて、これまで厚生労働省・医薬品医療機器総合機構(PMDA)と連携を図りつつ、国内外の様々なプロジェクトに参画してきました。ICCR**(International Cooperation on Cosmetics Regulation)のIntegrated Strategy Safety Assessment合同作業部会においてはNAMsを用いたNGRA***(Next Generation Risk Assessment)フレームワークのベストプラクティスの策定、ICCS****(International Collaboration on Cosmetics Safety)においてはNGRAの開発・教育・行政利用に向けた協力、国立医薬品食品衛生研究所が主催する医薬部外品におけるガイダンス検討会への参画、日本化粧品工業会としての学会発表・パネルディスカッション参加等の活動を通じて、NGRAに対する社会認知の向上と理解の促進に積極的に努めてまいりました。
こうした背景のもと、PMDAは、9月25日付で「医薬部外品申請におけるNew Approach Methodologies(NAMs)利用の方針についてEC(Early Consideration)」を発出しました。本ECは、医薬部外品の申請に必要な非臨床試験について、国際的動向を踏まえつつNAMsを関係者とともに効率的に開発していくことを提示することを目的としています。合わせて、PMDAではNAMsに関するホームページを開設し、NAMs検討ワーキンググループの設置等関連活動についての情報発信をしています。
(https://www.pmda.go.jp/review-services/0071.html)
これら一連の動きは、薬事申請において、動物実験を行わない方向へ舵を切っていくというPMDAの強い意志の表れであり、我が国において医薬部外品・化粧品の安全性評価へのNAMsの利活用が加速されていくことが期待されます。日本化粧品工業会では、PMDAと連携・協力し、動物実験を行わない医薬部外品・化粧品の安全性評価の早期実現を目指してさらに強力に活動を推進してまいります。
NAMs* :動物を用いない化学物質の安全性評価方法
ICCR** :日本、米国、欧州、カナダ、韓国、ブラジル、台湾、イスラエルの8か国・地域の化粧品に係る行政で構成される化粧品規制協力国際会議
NGRA*** :動物を使わないNAMsの組み合わせで化粧品の安全性を評価するフレームワーク
ICCS****:動物実験を行わない化粧品の安全性評価方法の開発・教育・行政利用をサポートする国際的な非営利団体
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