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エッセイ

赤ちゃんからのスキンケア

佐々木 りかこ(りかこ皮フ科クリニック 院長)
2015年12月7日

子どものときこそ、スキンケアが大切です

子どもの皮膚の表面は、カサカサです

一般的に赤ちゃんや小さい子どもは理想的な皮膚をしていると信じられているようです。
小さい子どもの皮膚は、弾力があるので勘違いされやすいのですが、皮膚の表面の水分は大人よりずっと少ないのです。
大人も乾燥しますが、赤ちゃんはもっと乾燥しているというのが真実です。
その大きな理由は、ヒトは思春期を迎えるまで「皮脂」がほとんど出ないからです。
子どもの皮膚がうるおっていると勘違いされるもう一つの理由は、汗をかきやすいということにあります。しかし、本当のうるおいは汗だけではできません。

カサカサしているとどうしていけないのでしょうか?

私たちの皮膚は、表面が乾燥していると、体内の大切な水分が蒸発してしまい、また、外側から目に見えない小さなものが通りやすくなります。つまり、「バリア」という機能が弱くなります。
目に見えない小さなものとは、空気中に飛んでいる全てのもの、たとえばホコリ、微生物(細菌、ウイルス、チリダニ、カビなど)など、そして、私たちが自分で出す排泄物(汗、糞尿、唾液、涙、皮脂、垢など)です。
これらが皮膚に入ってしまうと、「感染」、「アレルギー」、「湿疹・かぶれ」などの病気が起こります。

羊水から出たときから乾燥は始まります

お母さんのお腹の中にいるときの赤ちゃんは、10ヶ月あまりの間、羊水に囲まれて生きていました。そして、赤ちゃんは生まれた途端に、空気にさらされるようになります。
最近、多くの病院や産院では、生まれてすぐの赤ちゃんを産湯(うぶゆ)につけて洗うことはしません。それほど赤ちゃんの皮膚の乾燥が危険だということがわかっているからです。

スキンケアはどのようにしたらよいか

赤ちゃんが生まれたら、なるべく早くスキンケアを始めてあげましょう。
(病院や産院に入院している間は、その指示に従いましょう)
スキンケアは、洗うこと(あるいは拭くこと)、保湿することの二つをセットに行います。
つまり、まず皮膚の表面についている汚れを取り去り、その後すぐに乾燥を防ぐ保湿をします。

低刺激性の洗浄料を使いましょう

頭皮は、頭皮用を、皮膚は皮膚用を使います。
頭皮は指のはらを使って、爪を立てないように、よく泡立てたシャンプーを使って頭皮の汚れを軽くこすりながら洗い、シャンプーが残らないようよくぬるま湯ですすぎます。顔から足までの皮膚は、低刺激性の皮膚用の洗浄料をよく泡立てて、指や手のひらを使って、丁寧に、くるくると円を描くようにして、そっとやさしく皮膚をなでるように洗います。そして、よくすすぎます。

シャワーと入浴

シャワーも入浴も湯の温度は体温に近い38℃前後がよいでしょう。赤ちゃんは基礎代謝が高いので入浴は3分以内で十分です。入浴剤は、保湿作用のあるものにし、温浴効果の高いものは必要ありません。

拭く方法

シャワーや入浴の後は、柔らかい綿のタオルで皮膚をこすらないように水分を押さえるようにして拭きます。シワの間に水分が残らないよう気をつけます。
赤ちゃんのよだれを拭くときや、オムツ換えのときにおしりや陰部を拭くときには、ぬるま湯か水でしぼった柔らかいタオルを使って、やさしく皮膚をこすりすぎないようにして、汚れや排泄物を拭き取ります。市販のウエットテッシュは、できるだけ携帯用の使用にとどめる方がよいでしょう。

保湿は低刺激性の保湿クリームやローションを使いましょう

洗ったり、拭いたりして清潔にした後の皮膚をそのままにすると、皮膚のバリアはさらにこわれてしまいます。清潔にした皮膚には、なるべく早く保湿をしてこわれたバリアを修復しておかなければなりません。
低刺激性の保湿クリームやローションなどを適量とり、皮膚にやさしく塗り伸ばしておきます。塗ったあとに、指が吸いつくくらいのしっとり感に仕上げます。
どの赤ちゃんもお子さんも、朝と晩の2回全身に清潔+保湿ができるとよいでしょう。それ以外は、汚れがついた場所はこまめに清潔と保湿を行いましょう。