化粧品用語解説

パール剤とラメ剤

パール剤」と「ラメ剤」は、主にネイルエナメル、アイシャドー、口紅などのポイントメークアップ化粧品などで、「真珠や虹のように様々な色を発する仕上がり」や「金属表面のように、光を正反射し強い光を感じる仕上がり」を演出する時に用います。

パール剤は数十ミクロン程度の大きさであるのに対して、ラメ剤は数百ミクロン〜数ミリメートルのものまであり、形も丸、四角、星などさまざまです。ラメ剤は一個の表面積が大きく、パール剤に比較してきらきらとした点在感のある輝きが特長です。

パール剤の歴史は古く、昔は魚の鱗からグアニンの結晶を取り出して魚鱗箔として使っていた時代もありましたが、現在ではマイカ(雲母)に酸化チタンを被覆した雲母チタンが一般に使われています。発色原理はシャボン玉の色と同じで光の干渉を利用したものです。平板状のマイカに屈折率の高い酸化チタンを被覆し、この酸化チタンの厚みを変えることによって光の干渉色を変化させ、緑や赤など色々な色を出しています。雲母チタンにさらに酸化鉄を被覆して、外観色と干渉色の異なるパール剤も使われています。基板の雲母の代わりに、より白色度の高い合成の雲母を用いてくすみのない色を出すものや、光輝性のあるガラスフレーク、アルミナフレークおよびシリカフレークなどを用いたものもあります。また、特長を出すために、酸化チタンの代わりにシリカ、金、銀などが用いられることもあります。

ラメ剤は樹脂フィルムをベースにしたものが多く、一般的な構造は屈折率の異なる複数の樹脂、例えば極薄いアクリル系のポリメチルメタクリレート(PMMA)とペット(ポリエチレンテレフタレート、PET)を100層前後に積層させ、干渉色によってパール光沢を持たせたものです。また、PETにアルミニウムを蒸着して両側に樹脂を被覆し、金属光沢を出したものもあります。