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化粧品用語解説

保湿とエモリエント

  • 保湿

    保湿」とは皮膚の水分を補ったり、水分の蒸発を防いだりして、うるおいを保つことです。「保湿」されている皮膚は、みずみずしく、表面が滑らかで、柔らかです。「保湿」を目的としているクリームは、保湿クリーム、モイスチャークリーム、エモリエントクリームとも呼ばれ、「保湿」、「モイスチャー 」、「エモリエント」が同じ意味に使われることもあります。

  • エモリエント

    エモリエント」とは、皮膚からの水分蒸散を抑えてうるおいを保ち、皮膚を柔らかくすることをいいます。

  • 保湿剤

    「保湿」を目的に用いられる成分を、「保湿剤」または「モイスチャライザー」と呼びます。皮膚に水分を与え乾燥から守る吸湿性の高い水溶性の成分を、「ヒューメクタント」と呼ぶ場合もあり、「グリセリン」、「乳酸」、「ピロリドンカルポン酸ナトリウム」、「尿素」などがあげられます。

    皮膚の保湿に関係している水分、天然保湿因子(NMF)※1、皮脂、細胞間脂質※2などのバランスをモイスチャーバランスと呼んでいます。それぞれに対応する成分を、化粧品の水分、水溶性成分で補うことで皮膚を保湿するという考え方から、スキンケアには水分とともに、水溶性成分の「ヒューメクタント」と油溶性成分の「エモリエント剤」がバランスよく配合され、皮膚機能を高めるのに役立っています。

    • ※1:天然保湿因子(NMF)…角層細胞内にある天然保湿因子で、角質層の約30%を占めています。主にタンパク質が分解したもので、半分以上がアミノ酸、乳酸塩、尿素、ミネラル塩、糖類や有機酸などでできており、角質層内で水分を保持する重要な働きがあります。
    • ※2:細胞間脂質…角層細胞の間を満たしている脂質の総称です。主な成分はスフィンゴ脂質(主成分:セラミド)、コレステロール、高級脂肪酸などです。角層細胞間脂質は、水分を含んだ層状構造の液晶を作って皮膚内部の水分が外部に蒸散することを防ぎます。また、皮膚のうるおいを保ち、正常な角層剥離をコントロールして、滑らかな皮膚を保つ働きがあります。
  • エモリエント剤

    皮膚の表面に滑らかに伸び、皮膚から水分を蒸散させない油溶性の成分を「エモリエント剤」と呼ぶ場合もあり、「天然油脂」「長鎖脂肪酸」、「脂肪酸エステル」、「ラノリン」、「リン脂質」などがあげられます。